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太陽光発電は30年分の電気代を先買いするのと同じ

公開日:2022.01.31 /更新日:2022/02/04


三次で注文住宅を建てるなら、さくら建築の評判を聞いてみてからが良いですねこんにちは! 藤川正宗です。

先日、ご相談いただいてるお客様から「太陽光発電って、載せたらいいとは思うんですが実際どうなんですか? 補助金もないし、買い取り価格も下がってるんですよね?』というご質問をいただいたので、いろんなお話をさせていただきました。

簡単にまとめると、2つのことを話させていただきました。

まずひとつは、10年前に比べれば買い取り価格が下がり、補助金もなくなりましたが、逆に10年前に比べれば本体価格と施工費がガクンと下がっているので、コスパとしては同じです、ということ。

もうひとつは、電気料金は高くなり、これからも高くなる要素しかないので、電気は買うのではなく創って使うのがお得な時代になる、というかもうなっています、ということ。

ついぞ先月、松尾和也師匠から指導してもらってる時に、「太陽光発電は30年分の電気代を先買いするのと同じ」という思いつきのような言葉が印象的だったので、そのことについて書かせていただきます。

「太陽光発電は30年分の電気代を先買いするのと同じ」とは?

例えば、4kWの太陽光発電を設置すると、年間で約4,800kWh発電する計算になります。

最初はもっと効率良く発電するのですが、仮に30年続くとすると、4,800kWh×30年=144,000kWhの発電量になります。

これは、購入費用と15年目のパワコンの交換費用を支払うことで144,000kWh分の電気を先払いで購入する権利を購入したと言い換えることができます。

では、使える(売電するのも含めて)電気代はいくらになるでしょうか?

はじめの10年間で発電する70%を17円で買い取ってもらい、30%を自家消費(買ったら28円)とすると、約20円の価値になります。

残りの20年は電気自動車や蓄電池も普及していると仮定して、50%を10円で買い取ってもらい、50%を自家消費(買ったら28円)とすると19円の価値があることになります。

ここから計算するとこの30年で発電して売ったり使ったりする電気量144,000kWhを平均19.3円でかけると金額として144,000kWh×19.3円=約280万円分をわずか120万円で先買いしていることになります。

しかもこの計算は電気代が変わらない前提でやってます。

残念ながら、電気料金は上がるしかない時代

大変心苦しく、申し訳ないのですが、電気代はこれから上がる可能性が高いです。

というか、もう上がってるんですけど、さらに上がり続けていくのは目に見えています。

電力会社は原価に利益を上乗せして電気を販売するので、これまで安くするのに貢献していた石炭での発電が、国の方針で取り止めになったので、それだけでも原価は高くなり、電気代は上がります。火力発電の燃料として輸入される天然ガスや原油価格も上がっている一方です。

原発なら安い、といわれていますが、その計算では実際にかかるコストが隠されていたことはもうお分かりですよね。事故が起きれば補償も莫大になっていきます。

さらに、物価はインフレ基調です。インフレでは何も変わらなくても物の価格は上がるので、電気代はもちろん高くなります。

電気原価上昇と物価上昇、というこの2つの要因を組み合わせると、最低でも炭素税分だけは確実に価格上昇、場合によってはインフレ分がさらに上乗せされるかもしれないことになります。

まだ、日本がそこまで弱体化してない今のうちに、円の価値がまだ比較的残っている今のうちに、インフレがまだそこまで大きくは進行していない今のうちに太陽光発電で電気を予約先買いしておくことは、大きなリスクヘッジであり賢い投資であると松尾和也師匠も言ってましたね。

単純に今後電気代が30年間、毎年3%、4%、5%、6%の割合で毎年単価が上昇したらどうなるか? という計算をしてみました。

国際的には3%というのが標準的に使われており、また私がこれまで直近の10年を中国電力で試算してみると約5%代でした。ですのでどれも大げさな数字ではありません。

現在28円の電気代が30年後には年3%でも66円、6%だと151.7円になる計算です。

これを今の価格で確約購入できるわけですから、やはり効果は絶大だと言えそうです。

余談ですが、松尾和也師匠がつい数週間前に、太陽光発電の3大デマについて話してたので、そんなこともちょっと書いてみようと思います。

太陽光発電についての3大デマ

というのがあります。

けっこうな知識人と思われるような方や、環境意識の高い方でも、間違った情報を信じてしまっていることが多くあるようです。

そのひとつが、

「製造時に大量のエネルギー使ってる」

というものです

製造時に使われた分のエネルギーは、太陽光で発電すると2年ほどで回収できてしまうので、超効率が良いシステムなんですが、あまり知られていない事実なんですね。

これに関しては、太陽光を売ってる(株)フィット代表の鈴江崇文さんが書いたブログ記事がわかりやすく書かれています。

 ☞ 「太陽光発電はエコじゃない!?デマに注意!?」

他にも、産総研の太陽光発電研究センターの櫻井啓一郎さんの資料も、このデマのどこがどう違うのかを指摘してくれてわかりやすいです。
 ☞ 太陽光発電の環境性能 (EPT/EPR/EROEI/LCA/CO2排出量等) 参考資料

また、EPTとEPRという初めて目にするような用語についても、産総研のサイトにわかりやすく説明されていますので、これも参考になさってください。
・  ☞ 太陽光発電のエネルギー収支

もうひとつが、

「廃棄時に大量のゴミとなるでしょ」

というものです。

太陽光発電のパネルは、その材質の大半がガラスとアルミで出来ています。

もともとリサイクルしやすく、改修からリサイクル、再利用商品化までの循環システムも出来上がっているので、そもそもそんなに問題になるものではないのですが、台風などの災害で山間部の大規模ソーラーパネルがグチャグチャになっている写真を掲載して壮大なゴミあつかいするあおり記事で不安をかき立ててるんですね。

実際のところを非常に詳しく、わかりやすく説明されているサイトがあります。

電力小売り自由化で参入した企業のうち『自然電力のでんき」という自然発電の電気だけを販売してる会社があるんですが、そちらの記事が3部作とかなり長いながらも、すべて読めば腹の底から理解出来ると思います。

「太陽光発電所の廃パネル問題とは?何が問題で何が正しい?」
・  ☞ その1
・  ☞ その2
・  ☞ その3
(※どうもナンバリングがおかしいですが、長くなったので記事を集約してるようですね)

最後にもうひとつ、かなりの知識人でも間違っている自然エネルギーに関するデマ。

「ドイツが自然エネルギー大国なのは、フランスの原発電気を買うからでしょ」

というものです。

これは知識人どころか、経産省自らが作った資料の中で、恣意的なのか誤解なのかわかりませんが、極めて紛らわしい説明がされています。

これに関しては下記のサイトが非常に分かりやすいです。

https://www.renewable-ei.org/activities/column/20180302.html

長いので要約すると「ヨーロッパはつながっているのでフランスからドイツ経由でイタリアやスイスなどに運ばれている電気が非常に多い。それらを全てドイツで不足した電気をフランスから輸入したかのごとく受け取られてしまっていることが間違い。純粋にフランスとドイツだけに絞って見ればドイツからフランスに輸出している電気の量の方が多い」というのが正しいです。

まとめ

余談とはいえ、ボリュームが多くなってしまいましたが、同じ太陽光発電にまつわる情報の提供ということで、並べてみました。

表題にもありますように、30年分の電気代280万円分をわずか120万円で先買いする太陽光発電はお得だということは、わかりやすいですね。

もちろん、ちゃんと発電するように設置すること、その土地の気候を読み解くこと、なるべく電気を使わない家づくりにすること、が大切になってきます。

ただ単純に「太陽光発電? いいっすよ!」と言うのではなく、メリットとデメリット、よくある誤解を解いていきながら、正しく比較判断していただくお手伝いができればいいな、と思います。

よろしければ、以下のcolumnも読まれてみてください。
プロなら知っておきたい太陽光発電の基礎知識

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