こんにちは! 藤川正宗です。
今日は太陽光発電のID研修を受けてきたので、その復習というか、備忘録です。
とはいうものの、まずは、太陽光発電っていうのは最近どうかな、コスパはいいのか、悪いのか、そんなお話からはじめましょうか。
ZEHが普及しだして、新築住宅には太陽光発電が必須になりつつあるんじゃないか、国の動きからすれば、義務化しちゃいたいぜ〜、というところではありますが、それはまだですね。
ただ、個人的には太陽光発電、載せたら良いのにね、と思っています。
ウチの標準仕様では屋根が太陽光発電してくれる(エコテクノルーフな)ので、基本的には選びようがないんですが、金額として比較検討したらわかります。売電価格が10年前に比べると安くなってるから、元が取れない、とかいう意見もあるみたいですが、いやいや、設置費用がめちゃくちゃ下がってますから、普通の家に載せても13年くらいで元が取れちゃいますし、ウチみたいに断熱性能がよくなれば、冷暖房費が少ない、使う電気も少ないので、自家消費がまかなえてしまいます。エコキュートを深夜電力ではなく、太陽光で発電したのを自家消費すると、電機大の中で1番高額な給湯費を削ることができます。そういう使い方をすると、8年以内でもとがとれてしまう計算ができます。
しかも、電気代はこれまでもこっそり上がってますし、これからも上がっていきます。割安の火力発電の燃料、石炭の使用を禁止することが決まってますから、原価が上がります。電気代というのは、これすごい商売だと想うんですが、電力会社では、原価を積み上げて、利益を載せて、販売価格が決められます。普通の企業のように、ちょっと利益削ってでも安く提供しようとかは、ないです。原価が上がったら上がっただけ、販売価格が上がります。
ですから、天然ガス、石油が大暴落でもしないかぎり、電気代は安くならないんですね。そもそも、原発事故の補償が上乗せされてるんですから、高くならないわけがない、と。
そういうことで、太陽光発電は載せたらいいな、と思っています。強制はしないんですけどね。
と脇道にそれてしまいましたが、そもそも、太陽光発電のID研修ってなんぞや、ってところからカンタンに説明しましょうかね。
太陽光発電の施工店となるには、メーカーの施工認定をもらわないといけません。
あのですね、太陽光発電って、かなり強力な電圧と電流をつくるので、チョー危険なんです。知ったかぶりが施工するのは危険、ダメ、ぜったい。
電卓のソーラー電源みたいなのと一緒にしたらいかんのですよ。
晴れの日には5kW、6kWを発電してしまうので、つまり、普通に家で使ってる電気くらいは余裕でケーブルを通電しているんです。ということはつまり、電柱から引き込んでる電線と同じくらいの電流が流れています。しかも、特性として、何かあっても発電を止めることはできないんです。
とまあ、ちょっと専門的なことになってしまいますが、大切なことは、便利なものではあるけれども、知識のない人が間違った施工をすると、すごく危険、ということです。
だから、メーカーは施工店に対して、基礎知識から個別機器の設置方法、注意点を数時間にわたって講習して、初めて、施工しても良いよ、という認定を出すことになります。
じゃあ、その内容はどういったものなのか、というのをカンタンに説明していきましょう。
太陽電池の呼び名
「セル」が集まって、「モジュール」(パネルと呼んでる)、すべて接続されて「アレイ」
太陽電池の原理
光がn型シリコンとp型シリコンに当たって電気が発生する
☆電気は流れつづける、止まらない、危険、漏電に1番気をつける
太陽電池モジュールの種類
・結晶系
高効率裏面電極単結晶
単結晶
多結晶
・薄膜系(シリコン)
ハイブリッドアモルファス
・薄膜系(化合物)
CIGS
太陽電池モジュールの構造
セル同士が導線(リボン)で接続され、バックシートに乗り、EVAに包まれ、ガラスで覆う
太陽電池モジュールの試験(JEM-TR239)
降ひょう試験
11ヶ所に直径25mmの氷球を23.0m/sの速度で当てる
太陽電池モジュールの出力
公称最大出力 1枚のモジュールが発電することができる最大出力
<基準状態>
温度 25℃
エアマス 1.5 (大気の汚れ具合指数)
放射照度 1,000W/㎡
< 最大動作電圧 × 最大動作電流 = 最大出力 >
(例:15.99V × 8.16A = 約130.4W)
太陽光発電システム
発電設備として、火力発電所や水力発電所と同様、電気事業法で規制
一般住宅に設置される低圧配電線との連携で出力50kW未満の太陽光発電システムは小出力発電設備で一般用電気工作物にあたり、電気主人技術者の専任が不要、第2種電気工事士の資格で電気接続の施工が可能
太陽光発電システムの構成
太陽光発電システム(PVシステム)→ 接続箱 →パワーコンディショナ(パワコン)→ 分電盤 → 売電用メーター → 電柱
モジュールを13枚(メーカーによる)ほど組み合わせて1系統にしたものを「ストリング」と呼ぶ
パワーコンディショナは、直流電力を交流電力に変換するインバータ、運転制御、系統連係保護装置を一体化した機器。余剰電力を商用電力配線に逆潮流させる役割もある。
接続箱は、各ストリングで発電した電力を1つにまとめ、パワーコンディショナに送りだす役目
電力メーター(電力量計)は、売電・買電の2個必要。有効期限があり、定期的に交換が必要。費用が自己負担の地域も。スマートメーターに移行中。
あとはメーカーごとに製品の細かい説明、、、、、
北面への設置は、反射して近隣へ影響した事例あり、原則禁止
事業計画認定申請・電力申請(経産省、電力会社、協議)
→ 設置工事 → 電気工事 → 電力会社と契約
豆知識として、直流電力には電磁波は発生しない。電磁波は交流。
年間発電量の目安は、設置した量の1,000〜1,100倍(5kW→5,200kWh)
発電所からの送電ロスで35%しか使えないのに比べ、自家消費すれば90%の有効活用
不良事例として、ほこり、鳥のフン、落ち葉、木の陰。影になったらバイパスされるようにはなってる
端子の締め付け不良は発熱・火災の元
外部に露出するなら、PFD管を使用
小動物・虫(ネズミ、ヤモリ、ゴキブリ)の侵入を防ぐためにパテで穴を止める
テスト問題を丸写ししてもしょうがないので、その内容を解説してみましょう。
・配線材を接続箱に結線する作業には電気工事士の資格が必要
・分電盤に2次接続する際、主幹ブレーカーには漏電遮断器ELCB(逆接続可能型)を使用する
太陽光用に、そういうのセットされた分電盤があるから、それを選べばいいよ、ってこと
・圧着端子をケーブルに圧着する時は、カシメ部分から0.5mm出して、1.0mm以内にするように
・接続箱を小屋裏に設置する場合は、点検口を設ける必要がある(これ、昔はなかった項目)
・パワーコンディショナのモジュール入力台数範囲はメーカーごとに決まっているから遵守
・異なる方角面(例えば東と南)の太陽電池モジュールを直列につないではいけない
・パワーコンディショナの設置は周囲にクリアランスが必要(放熱、メンテ等)
・パワーコンディショナを2台設置する際、縦に並べてはいけない(放熱を加熱して危険)
・パワーコンディショナを複数台設置する際、横方向にもスペースを空ける
・パワーコンディショナを複数台設置する際の、接続材は専用線がある
・パワーコンディショナの端子ネジ締めはトルクドライバか手締め(インパクト禁止)
・パワーコンディショナの設置場所は寝室等を避ける(カチカチ音がする)
・パワーコンディショナには、自立運転用の端子台がある(コンセントだけじゃない)
・昇圧ユニットは安易に人の手の届く場所に設置しない
・計測ユニットの電源を太陽光発電用ブレーカーの1次側に接続する
・電流センサーは、矢印を負荷側に向けて取り付ける
・壁にあけた配線穴は、小動物や虫の侵入を防ぐため、必ずパテなどで塞ぐ
・竣工検査時には、電圧計、絶縁抵抗計、接地抵抗計を活用する。
こういうのが理屈といっしょにしっかり理解できたら、メーカーから認定される、という流れです。