こんにちは! 藤川正宗です。
住宅関連の補助金として、「すまい給付金」という素晴らしい国の制度がありまして、お客様へはいつも説明させていただいてるので、こちらでも簡単に解説させていただきます。慣れないパソコンで入力していますと、「住まい給付金」と誤変換されてしまいますが、ただしくは「すまい給付金」であります。訂正できてないところをみつけても、いじめないでください(笑)
消費税率が10%に引上げることで、住宅を取得しようとする人の負担をある程度緩和するために、国は「すまい給付金」という制度を創設しました。
「すまい給付金」というのは、
消費税率が8%の時は、収入額の目安として「510万円」以下の人を対象に、最大で30万円を給付、
消費税率が10%の時は、収入額の目安として「775万円」以下の人を対象に最大なんと50万円を給付するものです。
これが「すまい給付金」です。
すまい給付金については、概要を説明していますのでこちらの記事もご覧になってみてください。
詳しい最新の情報は、下の国交省のサイトをご覧ください。
ただ、ここで注意していただきたい点があります。
「もらえる給付金はいくらかな??」という人のために、サイトの中に、カンタンに計算してくれる「すまい給付金シミュレーション」があるのですが、これがあまりにもカンタンにプログラムされていて、現実とは、かけ離れた数字になっています。
まず、すまい給付金はいいんです。その下に、「続けて住宅ローン控除についても確認する」というシミュレーション、これがくせものなんです。
その誤差としては5%くらい。うーん、消費税率が2%もあがるだけで大騒ぎしてるのに、さらに5%も誤差があっては、かなり違ってきます。
それも、年収の5%ですから、金額たるや、、、、けっこうな違いになってきます。
以下すこし解説いたします。
所得税や住民税を計算して出すための「課税対象額」は、
収入 ー 給与所得控除額 ー 所得控除額 = ??
という式を使います。
さて、この「所得控除額」には
・基礎控除
・扶養控除
・社会保険料控除
(厚生、健康保険、介護、雇用)、各保険
・生命保険控除
・医療費控除
・地震保険料控除
がありまして、
この計算を「10%」として計算されているのです!?!?
なんででしょう?
令和元年の時代では、この「所得控除額」を概算で出そうとすると、その一部分でしかない社会保険料控除だけでも「15%」前後で計算しています。
つまり、この国交省のシミュレーションでは、控除金額が少なく計算され、課税対象額が多く計算され、すまい給付金が少なく計算されているのです。
(そりゃ、まぁ、大げさに多めに「こんなにたくさん給付されるんですよ!!と」誇大広告されるんじゃないから、悪意は感じないんですが、でも、実際の計算とかなり違いがあるというのは、よろしくないですよ)
さらに、お子さんの年齢で扶養控除額は変化していくのですが、それが考慮されていません。
住宅ローン控除というのが10年間、しかもそれが今回、13年にまで延長されているんですから、そのあいだでお子さんはすくすくと成長し、順調に歳を重ねます。
扶養控除額というのは、お子さんの年齢で
・16歳未満 → 扶養控除なし(税金が多い)
・16歳〜19歳 → 一般扶養控除(税金が少ない)
・19歳〜23歳 → 特定扶養控除(税金が少ない)
と変化していくものです。
「住宅ローン減税」というのは払った税金が還付される(かえってくる)制度です。つまり、払った金額以上の税金は、かえってきません。
なので、お子さんが10年間で何歳から何歳に成長していったのか、ということが考慮されていないと、「住宅ローン控除額」も大きな誤差ができるようになります。
国交省の「すまい給付金シミュレーション」の「続けて住宅ローン控除についても確認する」については、本当に、ざっくりと、どれくらいなんだろうか?というイメージをつかむためだけの目安にされてください。
もちろん、シミュレーションなので、概算にはなります。
しかし、1万円、2万円の誤差ならまだしも、10年間という長い期間でみると数十万円にもなるシミュレーションをすることになります。ですから、も少し現実的な数値を考慮していきたいのです。
お金についてはそんなに頓着しない方であればいいのですが、私は、お金についてシビアに考え、お金を大切にしている方を応援したいと思っています。
工務店やハウスメーカーでは、住宅購入の資金計画をたててライフプランを計画するときには、こうしたシミュレーションがされていきます。国交省のサイトは、ほんとに参考程度にしておいて、実際のシミュレーションでは、あなた様の個別の事情を加味した、具体的な数値で計算するようにしていきましょう。
そこでは、すまい給付金や住宅ローン減税だけでなく、
住宅ローン返済額、
収入の推移、
お家のメンテナンス費用、
お子さんの教育費の推移、
などなど、いろんなことがわかってきますので、ライフプランはぜひとも計画していただきたいと、切に願っております。