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おひさまエコキュートはこれから必須ではないかと

公開日:2024.09.07 /更新日:2024/09/10

高断熱高気密のお家をつくっていると、これまでのランニングコスト、電気代で一番大きかった割合を占める冷暖房費が極端に下がるので、今度は給湯費の大きさに目が行くようになります。給湯費というのは、お湯を沸かすのに使われる電気代です。ガスで沸かすなら、ガス代です。

エコキュートはヒートポンプの力を使って、昔の電気温水器に比べるとかなり効率良くお湯を沸かしてくれて、4倍くらいの高効率になっているのですが、それでもまだまだ大きい割合を占めています。

そこで、新築のお家ならほとんど太陽光発電をつけているので、発電した電気を売るよりも、自分で使い、効率の良いヒートポンプでお湯を沸かしてしまおう、というのが「おひさまエコキュート」になります。


まず前提としてのお話として、

・オール電化プランの安いとはいえ深夜料金は30円/kWh、発電したのを売ると16円/kWhで、夜に買うよりも昼間発電した電気をすぐに使う方がお得だということがあります。

・エコキュートで深夜にお湯を沸かしても、使うのは大半はお風呂ですから、一般的には夕方から夜になり、12時間から17時間は保温しっぱなしであまり使わないことになり、ちょっともったいないですね。

・ヒートポンプは空気から熱を取り出して、その熱エネルギーを水に移すことでお湯にするものなので、外気温が高ければ速くお湯を沸かせて、使う電気は少なくてすみます。夜と日中では、外気温が高いのは日中ですから、日中にお湯を沸かすのが良い、ということがあります。

それが、「おひさまエコキュート」であれば、日中にお湯を沸かしてくれるので、発電した電気をすぐに使って、深夜電力を買わなくてもすみます。日中から夕方までに沸かして、そのまますぐ夕方から夜に使うのですから、保温時間も短くて済み、こうした面での効率も良いということです。

もちろん、これまでのエコキュートでも最近の物は、「お昼シフトモード」などの名称で、翌日が晴れるなら、深夜の湯沸かしを抑えて、日中にも数時間沸かす設定がありました。これは結構かしこくて、Wi-Fiでインターネットにつなげておくと天気予報を自動で見て、雨で発電しそうにないなら深夜にいっぱい沸かし、晴れるようなら深夜は抑えて日中に沸かす、ということを自動でやってくれます。これで良さそうにも思えますが、エコキュートは夜間蓄熱式機器という位置づけの商品になりそこから外れることができないので、日中に沸かすのは多くても半分までの時間、という縛りがあり、太陽光発電の電気をめいいっぱい使うということができないでいました。

それが、「おひさまエコキュート」であれば、そうした制限なしに、めいいっぱい太陽光発電の電気でお湯を沸かしてくれるのです。ちなみに、「おひさまエコキュート」は毎日、日中にお湯を沸かす商品なので、雨だからといって、安い深夜電力を使うために夜にお湯を沸かす、ということはありません。ちょっと誤解しそうなところなので、ご注意ください。だから昼間の電気料金単価を安くするために「おひさまエコキュート」用のプランや、従量プランが必要なんですね。


ただ、問題はその価格が10万円以上も上がってしまうことにありました。エコキュートが給湯器のかなりの割合を占めるようになってきて、かなりの台数が各社から販売され、かなり価格競争され、もちろんウチのお客様もその恩恵を受けていたのですが、構造は変わらずに設定変更だけなのにかなりの新商品、というメーカーさんにとっては願ってもない価格上昇のチャンスでもあるので、わからないこともないんですが、それにしてもソフトが違うというだけで10万円以上も高くなるというのは、、、なかなか導入しにくい状態ではあります。

さらにの問題は、「おひさまエコキュート」は東京電力管内専用商品、という位置づけで東京電力にしか「おひさまエコキュート」用のプランがないんです。これを聞いた時は、なんだかよく分からないことがおきてて、変なことになってるな、と思いました。その時のお客様とも「変ですねー」と話したものです。

それでも九州電力では、かなりの棟数を建てる意識の高いビルダーさんの動きもあって、東電と同じように「おひさまエコキュート」用のプランがでるようになりました。もちろん、九州では太陽光発電が屋根の上だけでなく、空き地にものすごい規模で設置され、夜よりも晴れの日中の電気が余って仕方がないという状況があったことも後押しされてる、とかも聞いたことがあります。


でも中国電力にはそういうのないし、中国地方は火力発電が多いって聞いたことあるし、プランができるのは相当に先なのかな〜、って思ってたところ、いきなり8月末に発表されてしまいました! なんと10月から「おひさまエコキュート」用のプランができるということです。日中(8〜16時)も夜も36円/kWh、夏以外の日中は28.5円/kWhとなっております。ただまぁ、東京電力の30円/kWhに比べると高いんですけどね。インフラの地域効率性の違いから出てくるので仕方ないことではあるんですが、それでも大進歩だと思います。高いけど…

中国電力さんのプレスリリース「低圧向け新料金メニュー「おひさまシフトコース」の提供開始等について」
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あと、昨今の建材価格の高騰に次ぐ高騰で、とてもリーズナブルだったエコキュートもかなり高騰してきまして、これまでのような価格ではなくなってきました。それに平行して、各メーカーさんと「おひさまエコキュート」の仕入れ価格交渉を粘り強く重ねて、差額が5万円にまで縮めることができ、今年度からウチでは標準の給湯器は「おひさまエコキュート」にすることになりました。価格で協力してくださったメーカーさんはダイキンさんで、機能も品質も性能も問題なく、リーズナブルだとしても安心してお使いいただけるようになっています。


もう、これから、2024年から新築で住宅を建てるなら、太陽光発電を載せて、おひさまエコキュートを給湯器として設置するというのが必須になってくるのかなぁ、というのが実感です。そうなるような環境が整ってきましたし、ウチみたいな田舎の小さな工務店でもこうなんですから、全国的には同様になってくるんだと思います。料金プランをどれにするか、はこれからの流れで変わっていきそうではあります。

電気代を比較して、夜に沸かすのがいいのか、日中に沸かすのがいいのか、というのは数字で比べればみえてきますし、沸かしたお湯を使うまでの時間は短い方がいいのか、長くてもいいのか、というのもわかってくるかと思います。そうしたことから、おひさまエコキュートはこれから増えていくんでしょう。

ただ、太陽光発電を設置していないお家、あまり晴れることのなく発電量が少ない地域、というのはおひさまエコキュートは適さないのかもしれません。どこらへんが損益分岐点というか、そういう境目のところなのかは、地域とお家の条件を細かく計算していかないとみえてこないですが、どうだろうか?という方はお近くの工務店さんなりに聞いてみてください。

すくなくとも、ウチが建てさせていただいてる地域なら、三次のように冬の日射量が少ないといわれても、太陽光の実際の発電量を見ていると十分ですから、おひさまエコキュートは必須になってきそうです。

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