こんにちは! 藤川正宗です。
建築業界でとても大きなニュースになったのでお知らせします。
この記事は、これまで断熱等級4が義務化されるんじゃないかといわれていたところ、ZEHレベルが等級5とされ、民間団体のHEAT20のG1とG2を参考にされて等級6と等級7が設定されたのです。納まるところに納まった、ということなんですが、いきなり発表されたのが、みなさんビックリしているところです。
<引用>
国土交通省、経済産業省、環境省は11月4日、住宅・建築物の省エネ性に関する基準整備を進めるため、合同会議を開催した。住宅性能表示制度において、ZEH水準の外皮性能を等級5とする案は既に検討されているが、新たにZEH水準を上回る性能を、等級6、7として設定する方向で検討を進める。
ZEH超の等級は、暖冷房の一次エネルギー消費量削減率を、等級6で30%、等級7で40%を目安に設定する。国交省は試算をもとに、一部の地域で補正は必要だが、おおむね目安に近い削減量を実現できるとして、HEAT20・G2を等級6、G3を等級7とする案を提示した。
あわせて、エコまち法における低炭素建築物の認定基準や、建築物省エネ法における誘導基準も、ZEH・ZEB相当の省エネ性能(再エネ除く)に引き上げる。また、低炭素建築物は太陽光発電設備の設置を、選択要件から必須要件化する。
今後、11月24日に再び3省合同会議を開いて告示案、省令案をまとめ、パブリックコメントを経て来年1月、社会資本整備審議会建築分科会建築環境部会への報告を予定。公示は来年3月の見通しだ。
☞ https://www.s-housing.jp/archives/252863
断熱等級といっても、正式には「品確法 住宅性能表示制度」の「断熱等性能等級」という名称で、その中に等級4、等級5、等級6、等級7というのができたということです。
最高水準の等級7は、三良坂の5地域ではUA値0.26とされているので、これまで、さくら建築ではHEAT20のG3を基準にしていたので、そのまんま等級7になってしまいますね。
(さくら建築がHEAT20のG3を基準にしていることについては「こだわりの家づくり」をご参考になさってください)
東京大学の前准教授は、ZEHを2030年に住宅の性能として義務化するべきだとおっしゃってますが、国が目標にしている2050年のカーボンニュートラルに向けた中途目標なんですね。
岸田総理がイギリスでのG20でカーボンニュートラルについて言及したり、1兆円基金を発表していたのは、本気でやっていくためにここにもつながっていたんですね。
世界から見ても断熱性能では遅れているといわれてきましたが、ここにきて真剣に追いつこうという姿が垣間見れます。断熱性能をあげていくことが、省エネルギーに直結するからですね。
もちろん、断熱性能をあげるだけでなく、太陽に素直な設計・パッシブデザインで太陽熱を取り込んだりすることは欠かせません。でも、まずは数値化しやすい断熱性能を制度化するというのは手っ取り早くて、その後の流れとしてパッシブデザインになっていくことが業界に求められていくのでしょうね。